悪徳業者が良く使う手口や手抜き工事の例

断っても次々とやって来る訪問販売など怪しい業者に引っかからないためにも、うまい話にはなにか裏があります。
「今日だけ特別に大幅な値引きします。モニター価格で施工できます!」など言われた場合は注意が必要です。
外壁塗装は悪徳業者が多い?

塗装工事の場合、余程酷い手抜き工事を行わない限り、完了直後は一時的に綺麗になる為、一般の方には良い施工か悪い施工なのか分かりません。
施工完了後、一年以内には手抜き工事なのかどうかは結果が表れる場合が多いのですが、クレームの連絡をしても対応してくれないばかりか、会社そのものが無くなっている場合もあります。(特に訪問販売業者に見られます)
悪徳業者のよくある営業トーク
30年以上持つオリジナル塗料を勧めてくる
塗料を製造している塗料メーカーに業者が依頼して作っているもので、中身が同じ塗料でも、ラベル(商品名)を変えて『30年以上持つオリジナル塗料です』と言っている事が大半です。
本当に30年以上持つのであれば、塗料メーカーや塗装業者の半分は仕事にならない事でしょう。
また、シーリング等は経年劣化で打ち替えが必要になるため、30年メンテナンス不要ということはありません。
大幅な値引き
「今直ぐに契約をしてくれると50万値引きします!」等、当初の見積内容も変わらないのに、根拠のない50万以上の値引きは注意が必要です。
このような業者はお得感を割り出すため、どのお宅でも当初から高い見積額を提示しています。
モニター価格で値引きする
「この地域で工事を始めるのでモニター価格で工事します」「目立つ場所にあるのでモニター価格で施工します」などと、契約をさせようとする業者ですが、何時も何処ででも同じ言葉を使っています。注意が必要です。
契約を急かしてくる
訪問してきた当日に「今直ぐ契約してくれたら半額にします!」などと契約を急かしてくる業者も注意が必要です。
何故なら考える暇を与えずに契約させないと、契約が取れない業者だからです(金額が高い、手抜き工事等)
危険な見積内容
屋根塗装が含まれていない
屋根の調査は高所に登る必要があったりドローンで撮影したりと、外壁などと比べ時間や手間のかかる部位になりますので、屋根塗装を含まない見積は手軽に出すことが可能です。
しかし、屋根は住宅の部位の中で一番に劣化条件が厳しい箇所なので、点検は真っ先に行うべきであると思います。
塗料や数量が曖昧
数量の記載がなく「~一式」ばかりの見積書は注意が必要です。
家全体の外壁を塗らない場合等は、どの範囲を施工するのか分からないので後のトラブルになりやすいですし、数量が分からないと塗料の規定塗布量より少ない量で塗装して、手抜き工事される恐れがあります。
塗料の単価が高すぎる
特殊な材料(石材調塗料等)や塗装数量が10㎡未満の場合を除き、塗料の単価が㎡/7000円以上の見積書は注意は必要です。
代表的な塗料単価になります、全て円/1㎡
ウレタン 1,200円~2,500円、シリコン 1,500円~3500円、フッ素 2,000円~4,500円、ラジカル 1,400円~2,500円、無機 3,000円~4,500円
塗り面積が大きすぎる
塗料の単価が相場の範囲内でも、壁や屋根の塗装面積が明らかに大きいと金額も高くなります。
下記は坪数による大まかな塗り面積をまとめたものです。
延べ床面積 | 塗り面積 |
---|---|
25坪 | 110~119㎡ |
30坪 | 120~129㎡ |
35坪 | 130~139㎡ |
40坪 | 140~149㎡ |
45坪 | 150~164㎡ |
50坪 | 165~180㎡ |
手抜き工事の例
ケレンなどの下地処理を行わない
下地処理には時間や手間がかかる為、省略すれば施工業者は人件費が浮きます。
しかし適切な下地処理を行わない場合、剥離等の塗装品質に欠陥が生じます。
見積書通りの塗装回数を塗らない
既定の塗布量を塗らないと、折角の高耐久性塗料を使用しても耐久性は下がります。
施工業者は材料代が安く済み、尚且つ作業工程が減りますので人件費が浮きます。
塗料を必要以上に薄める
塗料を設計規定以上に薄めると、いくら良い材料を使っていても、耐久性が落ちます。
施工業者は材料代は安く済み、塗り易くなる為、作業性が上がり人件費まで浮かすことが出来ます。
塗料が乾燥する前に重ね塗りする
次の工程に移る際、塗料が乾燥する前に重ね塗りすることで、通常作業で一日に行える工程が増える事になります。
そのため、施工業者は工期短縮になり、人件費を浮かすことが出来ます。
しかし塗料が乾燥する前に塗装を行うと、密着性が悪くなる、十分な塗膜厚が得られない等の品質の悪化に繋がります。
悪徳業者と契約しないために
すぐに契約しない
「今日決めてくれたら半額に出来ます!」などと契約を急かす業者は、何処に行っても同じトークを使っています。
家の状態は一日二日で急に悪化する事はありませんので、ゆっくりと検討される事をお勧めします。
複数社から見積もりを取る
1社だけの見積りだとその金額が適正なのか判断が難しいので、2~3社の複数社から見積を取って金額や塗装の仕様を比較する事が必要です。
悪徳業者と契約してしまったら

訪問販売・訪問購入・電話勧誘販売などの販売方法やマルチ商法・内職商法のような特殊な販売方法の場合、消費者は冷静に判断できないまま契約してしまうことがあります。
そのため、特定商取引法では契約後も一定期間(8~20間)、契約者が改めて考え直せる機会(クーリング・オフ期間)を与えています。
クーリングオフ通知を書面に書く
まず通知を書く際は、必ずハガキ等の書面で行って下さい。
表面のあて名は契約した業者の「代表者」にします。
裏面には「通知書」「解除します」と記載し、続いて契約年月日、工事名、契約金額、業者名、通知日、住所、氏名を記載してください。
業者にクーリングオフ通知の書面を送る
郵便局から特定記録郵便、又は簡易書留で契約業者へ出しましょう。
まとめ
上記のような業者が来ても、即決をしない事が重要です。もし契約してしまってもクーリングオフ制度がありますのでご安心ください。
塗装工事の良し悪しは、施工業者の選定が重要になります。