外壁材の種類と特徴

住宅を見る場合、一番最初に目に付く箇所が外壁材になる事が大半だと思います。
外壁材の種類によって、メンテナンスの方法や手間も異なります。
また外壁材は簡単に変更が出来ないこともあり、新築時やリフォーム工事の際、外壁材選びは誰もが悩まれることになると思います。このページが外壁材選びの参考になれば幸いです。
外壁材の役割

住宅を外から眺めたとき、外壁を最初にご覧になる事が多い事と思います。
外壁の美観や雰囲気は、外壁材の種類や塗装によって大きく異なります。
また外壁は、住宅内部を風雨や寒気暖気、太陽の紫外線等から保護しています。
地震や火事など、災害から家を守る点でも大切です。そのため外壁には、防水性、防風性、耐震性、遮熱性、断熱性、遮音性も備える必要があります。
新築戸建に採用される外壁材の割合
外壁材にはたくさんの種類がありますが、日本の新築戸建てにおける外壁材のシェア率は次のようになっています
窯業系サイディング:8割
モルタル:0.6割
金属サイディング:0.3割
平成28年調査の結果ですので現在は割合が変わっている場合があります。
外壁材の種類
サイディング

サイディングを構成する材質によって「窯業系」「金属系」「木質系」などに分けられます。
■窯業系サイディング
窯業系サイディングはセメントに繊維質や無機物などを混ぜて作ったものです。
劣化現象としては表面の塗装の劣化、サイディング板の反り割れ、藻やカビの発生があります。
■金属系サイディング
金属系サイディングは、アルミやガルバリウムなどの金属の表面材と、断熱性を備えた裏面材でできたサイディングです。
劣化現象としては色褪せ、さび、藻やカビの発生があります。
■木質系サイディング
木質系サイディングは天然木を加工したサイディングで自然の木の風合いを再現できますが、窯業系や金属系に比べ高価になり、防火性や防水性は劣ります。
劣化現象としては腐食、藻やカビの発生があります。
モルタル

12㎜前後の厚みの板の上に防水紙・金網を張り、その上にモルタルをコテで塗りつけた壁で、30年以前には多くの住宅で使われていました。
乾燥後に塗装仕上げを行い、仕上げ工法は「吹付タイル」「リシン」「スタッコ」などに分けられます。
■吹付タイル
吹付タイルとは複層仕上塗材と呼ばれるもので、塗料を下塗材、主材、上塗材と3~5工程の塗装方法です。
凹凸はあるものの滑らかな仕上がりとなります。また吹き付けた後に、ローラーで凹凸を潰すヘッドカット仕上げもあります。
劣化現象としてはチョーキング、ひび割れ、膨れ、剥がれ、藻やカビの発生等があります。
■リシン
リシンとは外装薄塗材と呼ばれるもので、塗料に骨材(細かい石粒)を混ぜて吹付け塗装した物です。
安価で透湿性に優れた塗料です。
劣化現象としては汚れ、藻やカビの発生等があります。
■スタッコ
スタッコとは塗料に骨材(大小の石粒等)を混ぜて塗る大きな凸凹やランダム模様の仕上げ工法です。
重量感や高級感を演出することが出来ます。
劣化現象としてはひび割れ、汚れ、藻やカビの発生等があります。
ALC

ALCとは、内部に気泡の穴が開いているコンクリートで軽量気泡コンクリートとも呼ばれます。
通常のコンクリートよりも軽量で、断熱性が高くできているのが特徴です。
劣化現象は、破損やひび割れ、メタルラスの錆藻やカビの発生等があります。
コンクリート

鉄筋コンクリートとは、一定の間隔で張った鉄筋内に、砂や砂利、水をセメントと混ぜて凝結させたコンクリートを流し込んで固めたものです。
断熱性、遮音性、耐震性、耐久性、気密性に優れます。
劣化現象は爆裂、破損、ひび割れ藻やカビの発生等があります。
レンガ

レンがとは粘土や頁岩(けつがん)、泥を型に入れて窯で焼き固めて作ったものです。
外壁の劣化が少ない、耐熱性・蓄熱性・耐火性に優れていると言った特徴があります。
劣化現象は割れ等です。
珪藻土

珪藻土とは、ケイ素が主原料の植物プランクトンが積み重なってできた土で、調湿性や消臭性に優れており、特に室内で人気の素材です。
劣化現象は割れ、剥落等です。
タイル

タイルは、粘土や陶土、長石、石英などを砕き、板状に焼いて作った建築材です。
高級感があり色あせしにくく、耐久性などにも優れています。
タイル自体は劣化しませんが、劣化現象としては目地のモルタル劣化や接着剤の劣化での剥落等があります。
漆喰

漆喰とは、消石灰(石灰石を焼いて水を加えたもの)を主原料とし、日本では昔から利用されてきた塗料です。
透湿性や防火性、消臭性に優れています。
劣化現象はひび割れや剥落等です。
塗装ができない外壁材はあるか?
塗装が完全に出来ないという訳ではないですが、直張りサイディング(サイディングと透湿シートが密着している)は、塗装しても早期に剥がれてくる場合があります。
タイルやレンガも本来は塗装が必要のない材質です。
まとめ
外壁材の種類や特徴について纏めてみました。
このように多くの種類がありますので、自宅の外壁材の種類や状態に悩んでいるのであれば、お気軽にお問い合わせください。