外壁・屋根塗装の塗料グレード別、耐用年数と単価
外壁・屋根塗装で使われる塗料には多くの種類があり、塗料のグレードによって耐久年数や価格などが大きく変わってきます。
そのため、それぞれの特徴を知っておくことが必要です。
このページでは塗料のグレードについて紹介いたします。
外壁・屋根塗装で使う塗料のグレードとは
塗料のグレードとは
塗料のグレードはいくつか種類がありますが、住宅塗装工事でよく使用される塗料で分けると「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「ラジカル制御型」「フッ素」「光触媒」「無機」に分類されます。
各グレードの大きな違いは耐用年数で、耐用年数が長くなれば価格も高くなります。また、現在よく使用されているグレードはシリコン樹脂塗料になります。
耐用年数とは
耐用年数とは、塗料がどれくらいの期間持つのかを表したものです。
各塗料メーカーが促進耐候性試験と呼ばれる試験を機械設備で行い、太陽光よりも強い光を当てて早く劣化させ、数年後の劣化状態を確認します。
ただし、あくまでも室内で行われる試験なので、塩害や凍害、雨など劣化の要因になる条件は含まれていません。
そのため、実際に外壁に塗装をして太陽光や雨風などの影響を受けると、耐用年数より早く劣化してしまうことがありますので、最近は耐用年数~年と表記せずに『期待』耐用年数~年という表現をする塗料メーカーが多くなっています。
塗料のグレード別、耐用年数と単価
アクリル
耐用年数:5~7年 単価:1,000~1,400円
安価な塗料ですが、汚れやすく耐用年数が短いため、現在ではほとんど使用されていません。
■代表的な塗料
日本ペイント:オーデグロス
関西ペイント:アレスアクアグロス
エスケー化研:水性コンポアクリル
ウレタン
耐用年数:8~10年 単価:1,200~1,700円
現在ではあまり使用されていません。ただ、密着性に優れているため、下塗りに採用されることがあります。
■代表的な塗料
日本ペイント:ファインウレタン
関西ペイント:セラMレタン
エスケー化研:クリーンマイルドウレタン
シリコン
耐用年数:10~15年 単価:1,500~3,000円
現在最もよく使用されている塗料で、耐用年数と価格のバランスが良いのが人気の理由です。各メーカーからも多くの商品が販売されています。
■代表的な塗料
日本ペイント:水性シリコンセラUV、ファインシリコンフレッシュス
関西ペイント:セラMシリコン、アレスアクアセラシリコン
エスケー化研:クリーンマイルドシリコン、プレミアムシリコン
ラジカル制御型
耐用年数:12~15年 単価:1,500~3,000円
他のグレードと比べて実績が少ないですが、人気が出てきている塗料です。価格はシリコンと同程度でありながら、耐用年数は長く期待できるため、今後主流となる可能性があります。
■代表的な塗料
日本ペイント:パーフェクトトップ
関西ペイント:アレスダイナミックTOP
エスケー化研:エスケープレミアムシリコン
フッ素
耐用年数:15~20年 単価:2,500~4,800円
耐用年数は長いですが価格が高いため、大型公共物件でよく使用されます。しかし、最近は価格も下がってきたこともあり、一般住宅で使用される事も多くなってきました。
■代表的な塗料
日本塗装名人社:フッソUVコートⅡ
日本ペイント:ファイン4Fセラミック
関西ペイント:セラMフッソ
光触媒
耐用年数:15~20年 単価:3,000~5,000円
セルフクリーニング機能や空気浄化効果が期待できる塗料ですが、施工が難しく圧倒的なシェアを誇ったTOTOのハイドロテクトコートの生産も終了したことであまり使用されなくなってきています。
■代表的な塗料
ピアレックステクノロジーズ:ピュアコート
無機
耐用年数:15~25年 単価:3,000~5,000円
無機物を主成分としているため、雨や紫外線の影響を受けにくく、被塗装面を長期間にわたって保護します。
■代表的な塗料
日本塗装名人社:無機UVコート
日本ペイント:ダイヤモンドコート
こんな塗料を勧める業者には注意!
悪質な業者の中には「30年以上持つ塗料です!」などと言い、優れた塗料のように思わせて契約を急かそうとする場合があるため注意が必要です。
仮に耐用年数が30年以上だとしても、シーリング材等は劣化しますので、30年間メンテナンス不要という事は無く、他の部位の修繕を行わなければなりません。
さらに、そのような塗料を提案してくる場合「自社のオリジナル塗料です!」などという事もありますが、実際は他の塗料メーカーの製品で、ラベルを張り替えただけのものです。
まとめ
外壁・屋根塗装の塗料グレード別、耐用年数と単価についてまとめてみました。
塗装工事の際は、ぜひ参考にしていただき、数ある塗料の中からご自宅にあった最適な塗料で施工して下さい。